春の香りと金漆
夏に向かってまっしぐらな気もしますが、もう少しだけ春の香りを感じていたい。…先日父が採ってきてくれた山菜。左がコシアブラで右がタラの芽。タラの芽はこの芽を収穫したあとが、驚くべき瑞々しい美しい黄緑なのです。→このエントリ下の方参照。タラの芽はてんぷら…といっても自宅で料理する時には色々大変なので、少し粉をふって多めにオイルをひいたフライパンで焼きつけるようにしています。コシアブラは、炊きこんだり胡麻和えにしたりバター炒めにしたりしても美味しいそうですが、初めて出会ったときに教えていただいたのが「混ぜごはん」でした。色鮮やかに湯でて刻み、ちょっといいお塩と一緒に混ぜるだけ。ちょっとオイリーな仕上がりと苦み、香気はこの季節だけのお楽しみ。※写真はある日の朝ご飯
ところでコシアブラ=和名「濾し油」の樹液は「金漆(ごんぜつ、きんしつ)」と呼ばれ奈良・平安時代に工芸用塗料として珍重されていたのだとか。ということは樹液には触らないよう要注意?ちょっとググってみるとこんなのが出てきました。金漆が使用された蒔絵など、一度観てみたいものです。
金漆瓜蝶浮文瓜形盒
清代中期
長21cm 幅16.cm 高11cm
木胎で瓜形につくった軽い蓋物である。木地のうえに麻布と刻苧を塗り重ね、その上に刻苧をもりあげて瓜の実、蔓、葉、蝶、をつくる。浮文のうえに黒漆をかけたのち再び金漆をぬる。浅い浮き彫りのような装飾効果がある。この種の技法は、日本の「蒔絵」の影響をうけ、長い期間にわたり試作を重ねて完成されたものである。盒の形と装飾様式が密接なつながりをもち、調和をつくりだしている。金色も美しい。図案は「瓜瓞綿々」といい、子孫繁栄を意味している。出所:北京「故宮博物院展・紫禁城の宮廷芸術」1985-85
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by setouchilove
| 2011-05-12 16:29
| 家ごはん